和彫りvs洋彫りのタトゥー2大スタイルを徹底比較！

身体の一部を飾るタトゥーは、アートと自己表現の形式として古くから親しまれてきました。

このタトゥーには和彫りと洋彫りといった2大スタイルがあり、それぞれが持つ魅力と特徴があります。

今日はこの和彫りと洋彫り、タトゥーと刺青の違いについて詳しく探っていきます。

 

和彫りと洋彫りでの基本的な違いと特徴

タトゥーは様々な種類がありますが、主要な形式である和彫りと洋彫りの2つに分けて今回は伝えます。

和彫りと洋彫りに関しては、見た目はもちろん、起源や技術の観点で大きく異なったところがあります。

 
和彫りは日本発祥の伝統的なタトゥーで、独特な彫り方と色使いが特徴です。

よく見るモチーフには、龍、鳳凰、虎、花など、日本の文化や伝説からインスピレーションを得たものがあります。

 
一方、洋彫りは西洋起源で、彫り方とデザインはより現代的で多様性があります。

人物像、動物、抽象的な形、文言など様々なデザインが可能で、彫師による個々の技術と芸術性を最大限に引き立てて自由な発想で作られています。

 

刺青とタトゥーの違い: 意外と知らない事実

「刺青」と「タトゥー」これらの言葉はよく混同されていますが、実際には少し異なる背景と意味を持っています。

これらの違いを理解するためには、それぞれの起源と文化的背景を見ていくことが必要です。

 
「刺青」とは主に日本特有の形式を指しています。

この方法は、針に墨を付けて肌に直接刺すという古来の技法を用い、強い痛みと時間を伴う作業です。

刺青には歴史と伝統が深く根ざしており、そのデザインには日本の神話や自然、歴史的なエピソードからインスピレーションを得たものが多く見られます。

 
一方「タトゥー」は、英語の”tattoo”からきたもので、より広範で多様な形式を指しています。

洋彫りには、様々なスタイルと技法が含まれていて、最近のタトゥーでは電動のタトゥーマシンが用いられることが一般的となっています。

また、機械化に伴ってより繊細なデザインや彩色が可能になっているのも特徴です。

 
刺青とタトゥー、それぞれの言葉が指す内容に微妙な違いはあるのですが、現代では「刺青」と「タトゥー」の違いはあまり重要視されていません。

なぜなら、それぞれの言葉が文化的背景や表現の形式を超えて広く使用され、互換性のある意味を持つようになったためです。

しかし、それらが異なる起源と文化的背景を持つという事実を理解しておくことは、タトゥー（刺青）アートの多様性と深さをより深く理解する上で大切なこととなるでしょう。

 

和彫りの特徴と由来

和彫りは日本の伝統的なタトゥー技術で、その歴史は古代の時代まで遡ります。

和彫りのデザインは、日本の神話、伝説、自然、芸術、社会から豊富に引き出されていて、その表現形式は美的にも鮮烈で人々の心をつかむ力を持っています。

和彫りは大背景と呼ばれる大規模なデザインで知られており、しばしば全身を覆うものがあり、これは任侠映画やゲームなどでよく見られる絵柄を連想するとわかりやすいでしょう。

任侠映画は初めて見る際のハードルが少し高めでしたが、とくに近年ではゲームによってより身近に感じられる存在となっています。

これは例えば、「龍が如く」シリーズゲームの登場で、魅力的な主人公や敵役が背負っている刺青に共感を受けた方も多いです。

 
刺青の大背景デザインには、龍や虎、鳳凰などの伝統的な動物の図像、桜や菊、波や風などの自然のシンボル、さらには歴史的な英雄や神々のストーリーが描かれています。

これらの絵柄は身体の動きに合わせて流れるように配置され、全体として一つの大きなストーリーを描き出していて一つの芸術品となっています。

 
和彫りの工程は非常に繊細で手間がかかります。

まず、彫師は顧客の要望を詳しく聞いて、それに基づいたカスタムデザインを作成します。

次に、このデザインを肌に転写して、細い竹の棒に付けられた複数の針で、一つ一つの線を丁寧に刺していきます。

色は主に黒と赤ですが、近年では緑や青、紫など他の色も使用されるようになっています。

精緻なデザインのために仕上がりまでにはかなりの時間がかかるので少しずつ仕上げていきます。

そうして長い時間と手間をかけて描きあげられた刺青には強い想いがこめられ、その見た目の迫力も満点です。

 

洋彫りの特徴と歴史

洋彫りとは、文字通り「西洋の彫り」を指す言葉で、そのスタイルとテーマは非常に幅広く、彫師の自由な表現が可能です。

洋彫りの起源とは、古代の海洋探検家たちが世界中を旅する中で異なる文化に触れていくうちにその影響を受け、西洋でもタトゥーが広まった結果として洋彫りの技法が発展してきたという背景があります。

 
洋彫りでは古典的なモチーフから新たな現代的なデザインまで幅広く取り扱っています。

例えば、セーラー・ジェリー（Sailor Jerry）のような伝統的なアメリカのタトゥーには、錨、鷲、蛇、心臓といったアイコンがよく見られます。

また、現代の洋彫りにはリアリスティックなポートレートや花、幾何学的な図形、抽象的なアートなど新しいデザインが次々に生まれており、無限の可能性が広がっています。

 
洋彫りの工程は和彫りよりも近代テクノロジーの影響を大きく受けていて、現在は多くの洋彫りの彫師が電動タトゥーマシンを使用しています。

機械を使用することで、人の手では不可能な高速振動によって針が肌に刺され、色彩が注入されていきます。

このマシンの使用によって細かい線や詳細な影、多彩な色調を含む複雑なデザインが可能となりました。

 

洋彫りの種類とその内容について

西洋のタトゥーには様々な種類とスタイルがありますが、以下にいくつか例を挙げてみます。

トラディショナル（Traditional）

アメリカのトラディショナルタトゥーは、色鮮やかで単純なデザインが特徴です。
船、アンカー、スワロー（燕）、ローズなどがよく用いられます。
※pinterest.jpより引用

リアリズム（Realism）

写真のようにリアルなタトゥーで、肖像画や動物、風景などがこのスタイルでよく描かれます。
※pinterest.jpより引用

トライバル（Tribal）

シンプルな黒い形状やパターンを用いたタトゥーで、特に先住民文化に影響を受けています。
※pinterest.jpより引用

ジオメトリック（Geometric）

幾何学的な形状や線を組み合わせたデザインです。
※pinterest.jpより引用

水彩（Watercolor）

水彩画のようなタッチで、色彩豊かな作品が多くあります。
※pinterest.jpより引用

ニュースクール（New School）

カートゥーンやグラフィティに影響を受けた、色鮮やかで大げさなスタイル。
※pinterest.jpより引用

ドットワーク（Dotwork）

点を並べてデザインを作るスタイルで、マンダラや幾何学的な形状でよく見られます。
※pinterest.jpより引用

ミニマリズム（Minimalism）

シンプルで洗練されたデザインで小さなアイコン、文字、シンボルなどの絵柄が多いです。
※pinterest.jpより引用

ホラー（Horror）

怖いイメージやゴシックなテーマを含むデザインです。
※pinterest.jpより引用

抽象（Abstract）

具体的な形状はとくになく、主に色や線、形状で表現されるタトゥーを指します。
※pinterest.jpより引用

カオス（Chaos）

無秩序や乱雑なデザインで多様な要素が混ざり合ったものを示します。
※pinterest.jpより引用

ポートレート（Portrait）

人物の肖像画、特に顔をリアルに描いたものを指しており、有名人や自分の恋人、家族の姿を入れる方も多いです。
※pinterest.jpより引用

文字（Lettering）

文字や言葉が主体のタトゥー。スクリプトやカリグラフィーが用いられることもあります。
※pinterest.jpより引用

 
これらのタトゥーの種類は一例であり、多くの彫師が独自のスタイルやテクニックを持っています。

さらに、文化や地域によっても独特のタトゥーのスタイルが存在しており、その種類は彫師の数だけあるとも言えます。

 

自分に合うタトゥーを選択する3つの方法

タトゥーは、ファッションの一部以外としても個人の趣味や嗜好、人生の記念、宗教感など自分を表現する自己啓発のツールとしても用いられます。

それだけにその選択は一朝一夕に決めているのではなく、深い思考と情報の収集をして決める必要があります。

 
自分に合うタトゥーを選ぶためにはどのような方法があるのか？文章化してみましょう。

 
自分の好みを理解する:
好みは個々の感情や価値観から生まれます。

タトゥーの選択においても、好きな色、形、デザインのテーマなど、自己の感性を理解することが基礎となります。

あなたが美しいと感じる物や、自分自身を表現するのに最も適したデザインは何かを考えてみましょう。

和彫りの神秘的な龍や菊、洋彫りの力強い鷲や象徴的な心臓といった具体的なモチーフから、自分の感じる共鳴や魅力を探すことが大切です。

 
彫師を選ぶ:
タトゥーを彫るアーティスト、つまり彫師の選択も重要なポイントになります。

彫師のポートフォリオ（作品集）を見ることで、その人のスタイルや技術、個々の作品へのアプローチを理解することができます。

自分のイメージするタトゥーが彫師のスタイルと合っているか確認して、最も自分の意図を表現できる彫師を選びましょう。

また、信頼できる彫師はデザインの提案や施術中のケアについても適切にアドバイスしてくれますので、一生付き合っていくタトゥーのためにも良い関係を築けるということは大切です。

 
時間をかけて考える:
タトゥーは一度入れると消すのが難しく、体への負担も大きいものです。

そのため、デザインを選ぶ前にその決定に十分な時間をかけて考えることが大切です。

短期的なトレンドや感情に流されず、長期的な視点で自分がそのデザインを本当に長く愛し続けられるかを考えましょう。

こうして自分を客観的に見るステップを踏むことで、自分だけの特別なタトゥーを選択することが意味深く楽しいものになるとともに、その過程はあなた自身を深く理解する機会ともなります。

 
タトゥーは時代の変化とともに常に進化し続けています。

新しい技術の開発、色彩の選択肢の拡大、異なるアートスタイルの融合など、最近ではアニメや漫画のキャラクターなどを入れる文化も定着しつつあります。

こうした自由度と多様性がタトゥーアートの可能性を広げ続けており、今なお多くの人々を魅了しています。

 
タトゥーの種類も多いですがそれに使用する針の種類も豊富です。
詳しくは「タトゥーで使う針は全部で100種類以上」を参考ください。

 

まとめ

和彫りと洋彫りは、それぞれ異なる起源と特徴を持つタトゥーの主要なスタイルです。

どちらを選ぶかは自身の好みと自己表現の形式に大きく左右されるため、自分に最も合うスタイルを見つけるために、自分の好みを理解し、適切な彫師を選び、じっくりと考えましょう。

タトゥーは一生ものと考え、自分だけの物語と芸術作品の魅力を最大限に生かしましょう。