タトゥーや刺青を彫るのが初めての方にとって、施術時の「痛み」は大きな懸念事項です。
本記事では、Saniderm の痛みチャートを参照しながら、部位別の痛みの目安と理由、そして痛みを抑える対策を解説します。
初めての方が安心して彫師に依頼できるよう、準備のポイントもまとめました。

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目次
タトゥーの痛みが強い部位ランキングと理由

タトゥーを入れる際に感じる痛みは部位によって大きく変わります。
一般に、皮膚が薄い/骨が近い/神経が多い部位ほど痛みが強い傾向があります。
| 順位 | 部位 | 痛み目安 (10段階) |
主な理由 |
|---|---|---|---|
| 1位 | 膝裏/膝 | 10 | 皮膚が薄く、膝裏は坐骨神経が近い。曲げ伸ばしによる摩擦で治りも難しい。 |
| 2位 | 脇(腋窩) | 9 | 神経が多く、リンパ節が近い。治癒中も摩擦が多く不快感が強い。 |
| 3位 | 肋骨 | 9 | 皮膚が薄く脂肪や筋肉のクッションが少ない。振動を骨で感じやすい。 |
| 4位 | 足(足首/足指/足甲) | 9 | 骨が近く、感覚神経が敏感。靴や靴下で擦れて治りにくい。 |
| 5位 | 頭部 | 9 | 神経が非常に多く、脂肪・筋肉が少ない。振動を強く感じる。 |
| 6位 | 手・指 | 8 | 末梢神経が集まるうえ骨が近い。日常で触れる機会が多く治癒が難しい。 |
| 7位 | 肘窩/肘外側 | 8 | 肘窩は腕の主要神経が走行、外側は骨の近さで痛みやすい。 |
| 8位 | 胸骨下(アンダーブーブ) | 7 | 薄い皮膚と骨の近さ。女性は下着制限など治癒の負担も。 |
| 9位 | 胸(男女差あり) | 7 | 神経が多く、鎖骨付近は骨の影響で痛みやすい。 |
| 10位 | 首(前面>側面・後面) | 7 | 前頸部は皮膚が薄く神経が多い。摩擦で治癒も難易度高め。 |
・背中はエリアで差(肩甲骨や脊椎は痛め、その他は中程度:5–8)。
・内二の腕は神経が通り6程度でやや痛め。
・お尻は8(Saniderm 記事内で後日修正の注記あり)。
比較的ラクな(初心者向け)部位は、外前腕(3)、肩~外上腕(4)、腹部(5)など。逆に内前腕(8)や内腿(4~7のうち高め)は神経・摩擦要因で痛みが上がりがちです。
痛みレベルの見極め:初心者が知っておきたい基礎

痛みは個人差が大きく、デザイン(ラインの太さ/塗りの重さ)やアーティストの手技、部位によって変動します。
特に骨が近い・皮膚が薄い・神経が多い場所は強く感じやすい一方、脂肪や筋肉がクッションになる部位は比較的ラクです。
※この原因は、タトゥーの針が皮膚を貫通する際、神経に直接影響を与えるため
特に顔、指、足の甲などの部位は、皮膚が薄く、多くの神経が集中しているため、タトゥーを彫る際に強い痛みを感じやすいとされています。
タトゥーを希望する人が事前にこれらの情報を知っていることは、心理的な準備にも役立ちます。
また、タトゥーに関する痛みの知識は、施術を受ける際の不安を減らすことができます。
初めてのタトゥーを考えている人にとって、こうした痛みに対する理解は大きな助けになります。
部位別・痛い場所TOP解説(要点)

膝裏/膝(10/10)
坐骨神経が近く、皮膚も薄い最上位クラス。曲げ伸ばしが多く治癒も難所です。
脇(9/10)
リンパ節と神経の密集で刺激が鋭く、衣服の擦れも強敵。
肋骨(9/10)
クッションが少なく振動が骨に響くため有名な痛点。
足首・足指・足の甲(9/10)
骨が近く、神経が敏感。靴・靴下の摩擦で治りにくい。
頭部(9/10)
神経が非常に多く、筋肉・脂肪が少ないため強く響く。
一方で、外前腕(3/10)や肩~外上腕(4/10)は初タトゥーに適した候補とされています。見栄えと痛みのバランスが良好です。
参照:Sanidermによる部位別痛みチャート(英語)
※Sanidermは世界的に知られるタトゥー用アフターケアブランド
痛みを抑える準備:麻酔クリームと基本対策

適切な準備で痛みや不快感は軽減できます。
これらの部位にタトゥーを入れる場合、事前に痛みへの対策を行うことが重要で、彫師に部位の痛みについて相談し、適切なケア方法を確認することが大切です。
痛みの強い部位にタトゥーを入れる際には、特に慎重な検討と準備が必要となりますが、その中で活用できるのが次の事例。
- 麻酔クリームの活用:施術前に使用すると刺激を感じにくくなります。
使用量・時間・覆い方(ラップで密着 等)は製品ラベルに従い、事前パッチテストを行いましょう。彫師の方針や肌質により適否が分かれるため必ず事前に相談してください。 - 睡眠・栄養・水分:前日は十分な睡眠、当日は空腹・脱水を避け、カフェインやアルコールは控えると体感が安定します。
- 服装と持ち物:擦れにくい服、清潔な保護材、帰宅時の着替えを準備。治癒中に摩擦が多い部位(首・脇・足首など)は特に配慮を。
麻酔クリーム以外にも、痛みを和らげる方法はいくつかあります。
例えば、リラックスするための呼吸法やリラクゼーションテクニックを習得することも、施術中の痛みの軽減に役立ちます。
また、タトゥーを入れる前日には十分な睡眠をとり、健康的な食事を摂ることで体調を整えることも大切です。
部位選びと進め方:不安が強い人への提案
タトゥーを入れる際には痛みが伴いますが、適切な準備と対処法でその痛みや不快感を軽減することが可能です。
その一つの方法として、上記でも紹介した麻酔クリームの使用が挙げられます。
TKTXなどの麻酔クリームは、タトゥー施術の痛みを和らげるために広く利用されています。
これらのクリームは、施術部位に塗布することで、針による刺激を感じにくくし施術中の快適さを向上させます。
麻酔クリームの効果的な使用にはいくつかのポイントがあります。
まず、施術の1〜2時間前に適量を塗布し、その上からプラスチックラップで覆うことで、クリームの成分が皮膚にしっかりと浸透するようにします。
一般的に推奨されるクリームの濃度は20%~40%ですが、使用する部位や個人の痛覚によって最適な濃度は異なるため、より強い痛みを感じる場所であれば55%~100%が有用です。
しかし、麻酔クリームを使用する際には注意も必要です。
すべての人に同じ効果があるわけではなく、皮膚の状態やアレルギー反応の有無によっては使用が適さない場合もあります。
また、クリームの使用はタトゥーの色入れに影響を与える可能性もあるため、使用前には必ず彫師と相談し、適切な方法を確認することが重要です。
- 痛みが軽めの部位からスタート:外前腕・肩~外上腕・腹部など。デザインが大きい場合は数回に分けるのも有効。
- 強い部位は準備を厚く:膝裏/脇/肋骨/足首・足指・足の甲/頭部などは、時間配分と休憩計画、アフターケアを綿密に。
- 治癒を見越した生活設計:靴・ブラ・ベルト等、摩擦の多いアイテムを使う期間は避けると快適に治りやすい。
麻酔クリームの使用にあたっては、いくつかの注意点を考慮する必要があります。
まず、個人の皮膚のタイプやアレルギーの有無によっては、特定の麻酔クリームが適していない可能性があります。
そのため、使用する前には皮膚科専門医やタトゥーの彫師と相談し、自分に適した麻酔クリームを選ぶことが重要です。
また、麻酔クリームを使用する際は、施術するタトゥーのサイズや部位に応じて適量を調整する必要があります。
過剰に塗布すると、肌への刺激が強くなる可能性があるため、製品の指示に従い適切な量を使用することが大切です。
さらに、麻酔クリームは施術中の痛みを軽減するだけでなく、施術後の回復過程でも肌の敏感さを和らげる効果があることも覚えておくと良いでしょう。
麻酔クリームを使用することで、タトゥー施術時の不快感を大幅に軽減できますが、クリームの効果は人によって異なるため、施術後にも痛みがある場合は、適切な痛み止めを用いるなどの対策も必要です。
このように、麻酔クリームの適切な使用は、タトゥー施術をより快適で安全な体験に変える重要な要素となります。
まとめ
タトゥーの痛みは避けられませんが、部位ごとの目安を知ることで心構えができます。
痛みチャートでは、膝裏/膝(10/10)、脇・肋骨・足首/足指/足の甲・頭(いずれも9/10)が強い一方、外前腕(3/10)や肩~外上腕(4/10)は初心者向けとされています。
準備(睡眠・栄養・保護・麻酔クリームの適切な使用)とアフターケアで、より快適で安全な施術体験をめざしましょう。






